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日本アイ?ビー?エム株式会社(IBM)による特別講義(「AI概論」)


6月25日(木)の「AI概論」(国際学科 高橋教授)の授業に日本アイ?ビー?エム株式会社(IBM)システム事業本部ソリューション事業部の河井裕氏をお招きしました。IBM社は、情報システムに関わる様々な製品?サービスを提供する世界屈指の企業です。7月16日(木)までの全4回の特別講義では、AI (Artificial Intelligence; 人工知能)の最前線を同社の取り組み事例も交えて学生向けにお話いただく予定です。第1回目の今回は「ディープラーニングの概要と基本的なしくみ」と題しての講義でした。

実用できるAIの登場

これまで第一次、第二次のAIブームがありましたが、一部を除いては社会の大きな期待に応えるレベルに達せず、広く利用されるには至りませんでした。しかし、現在、AIは新しい技術「Deep Learning(深層学習)」により第三次ブームを迎え、例えば画像解析の場合、自動運転や顔認証、医療診断等多くの分野で実用化が進んでいます。私たちの生活や仕事を便利にしてくれるAIですが、これを利用する私たちの正しい理解も不可欠です。今後、AIと共存していくために必要な「AIリテラシー」を学んでいきましょう。

AIの仕組みと特徴

AIに関わる用語と関係の概要

AIには様々な技術がありますが、現在の第三次ブームがこれまでと大きく違う点は、人間がコンピュータに教えていたデータの「特徴量」をコンピュータ自身が自力で学ぶことができることです。これにより、人間の手間が省けるというだけでなく、人間が気づかなかった点も発見できるようになったことで、新たな問題を解決できる可能性が飛躍的に高まりました。「Deep Learning(深層学習)」と呼ばれるこの技術を使うことで、私たちの社会が更なる進化を遂げる可能性が拓けました。

AIは万能なのか?

画像はイメージです

IBM社のAI技術が使われ、ナスカの地上絵から新たな絵柄が発見された実例が紹介され、受講者はその威力に驚きました。「大量のデータを反復して検証する」というAIの強みが発揮された成果と言えるでしょう。では、AIは人間の能力に勝る万能の技術なのでしょうか? ここで、「過学習」という言葉が紹介されました。AIが判断材料となる「特徴量」を過度に学習すると、新たな問題に対応する汎用性が失われてしまいます。また、現在のAIは特定の問題の解決は得意ですが、人間のように知識を柔軟に使うことは苦手なので、最終的な判断は人間に委ねられます。これからは、AIと人間がお互いに協力しあうことが大切になるのではないでしょうか。

AIの活用を考える

講義では、たくさんの写真や動画を使って説明していただき、AIを具体的にイメージできるようになりました。また、この技術が社会でどのように活用されているか、今後どのような分野で応用が期待されるかを考えるきっかけになりそうです。次回以降の講義では、AIの特徴や実例を更に詳しく見ながら、人間がどのようにこれと向き合っていくかを考えていきます。「AI概論」は、2020年度から開講された注目の科目です。学生の皆さんには、本科目を積極的に受講し、卒業後の社会や仕事のあり方を考えていただきいと思います。

報告: IR?広報室