【おススメ授業】教育環境を工夫してインクルーシブ教育を実現するvol.2
9月14日(月)、「インクルーシブ教育※」をテーマとした集中講義(国内スクーリング)を実施しました。9月7日(月)に行われた授業の続編です。前回の内容を知りたい方は、こちらの記事【おススメ授業】教育環境を工夫してインクルーシブ教育を実現するをご覧ください。
今回も、障害のある子供たちへ支援を行っている株式会社LITALICO(りたりこ)の阿部氏にオンラインでご講演いただき、20名弱の学生が参加しました。
(国際学部の1年生から4年生。将来は教員になりたいという強い思いがある学生が中心です。)
今回も、障害のある子供たちへ支援を行っている株式会社LITALICO(りたりこ)の阿部氏にオンラインでご講演いただき、20名弱の学生が参加しました。
(国際学部の1年生から4年生。将来は教員になりたいという強い思いがある学生が中心です。)
※インクルーシブ教育とは? |
様々な個性、あるいは障害をもった子供たちが共に学ぶことで、お互いに理解を深め共生社会をつくっていくことを目的とした教育。 |
冒頭で前回の振り返りを行い、講義を聴いて感じたことや疑問点について、積極的にやり取りがなされました。LITALICOでは障害を“個と環境の関係性の中で生じるもの”と定義しています。前回は子供のもつ個性を中心とした、「個」についてがテーマでした。今回は学級において子供を取り巻くさまざまな「環境」をテーマとして学びを進めていきます。まず、LITALICOの行っている「環境」へのアプローチ事例を一部ご紹介いただきました。
学生からの質問に丁寧にお答えいただきました
LITALICOの行っている「環境」へのアプローチ事例を紹介
インクルーシブな集団作り~環境整備とユニバーサルデザイン~
次に、子供たち一人ひとりが欲しい配慮に合った環境を整備することが大事であることをご説明いただきました。これを「合理的配慮」といいます。しかし、合理的配慮の内容は、教育の基礎的環境の整備※がされているかどうかによって左右されます。まずは子供たちが生活する教室全体への工夫をしたうえで、個々への配慮を考えることがポイントとなるようです。
特別な教育的ニーズのあるすべての子供たちが、質の高い教育にアクセスできるような教育システムを構築する課程には、これらの環境整備が重要です。
特別な教育的ニーズのあるすべての子供たちが、質の高い教育にアクセスできるような教育システムを構築する課程には、これらの環境整備が重要です。
※教育の基礎的環境の整備とは? |
合理的配慮をそれぞれの子供にすすめる前段階として、全ての子供が享受できる土台として教室環境を整備すること |
また、ユニバーサルデザインの視点を持つことについても学びました。ユニバーサルデザインとは、差異?障害?能力などに関わらず利用することができる施設?製品?情報の設計のことです。これを教育に適用することで、どんな子供でも学びやすい学校、分かりやすい授業を提供することができ、教育の基礎的環境の整備が可能となります。それを整えてもなお学びが進めづらい子供に、個別の配慮?支援をしていくことが、これから求められる教育の形であることがわかりました。
子供の環境に配慮した学級?授業づくり~オンライングループセッション~
どんな子供でも学びやすい学校、分かりやすい授業(学校?教育におけるユニバーサルデザイン)とは、どんなことなのでしょうか。教師は学級運営をするうえで、どのような工夫ができるのでしょうか。
ある学級で起こった事例をいくつかご紹介いただいた後、グループセッションを行いました。学生たちは自分の小学校時代を振り返りながら以下の2点について話し合いました。
1. インクルーシブ?ユニバーサルデザインの視点があった場面
2. もっと工夫できたかもしれない点
ある学級で起こった事例をいくつかご紹介いただいた後、グループセッションを行いました。学生たちは自分の小学校時代を振り返りながら以下の2点について話し合いました。
1. インクルーシブ?ユニバーサルデザインの視点があった場面
2. もっと工夫できたかもしれない点
学びやすさは人それぞれ
セッションを終えて、各グループで出た意見を共有しました。インクルーシブ?ユニバーサルデザインの視点があった事例として、「当番表を使って仕事内容が共有されていた」「けがをしたときに可動式の机を使わせてもらうことができた」などの意見が出ていました。
もっと工夫できたかもしれない点としては、「苦手なことがある子を助けている子がいたが、その子に負担がかかっていたのではないか」「小学校にもエレベーターがあるとよかった」等が挙がり、積極的な意見交換がされていました。
阿部氏は、学びやすさは人それぞれ違うことに触れながら、子供たちの理解度に合わせた教材を使った学習事例を学生たちに紹介してくださいました。
もっと工夫できたかもしれない点としては、「苦手なことがある子を助けている子がいたが、その子に負担がかかっていたのではないか」「小学校にもエレベーターがあるとよかった」等が挙がり、積極的な意見交換がされていました。
阿部氏は、学びやすさは人それぞれ違うことに触れながら、子供たちの理解度に合わせた教材を使った学習事例を学生たちに紹介してくださいました。
参加した学生たちは、インクルーシブ教育における“個と環境の関係性”について学びを深めることができました。さまざまな個性を持った子供たちが集団生活を送る学級において、教員はどのようなサポートができるのか、考えを巡らせることができたのではないでしょうか。将来、教壇に立ったとき、今回の講義で学んだことが貴重なヒントになるでしょう。
報告:IR?広報室
報告:IR?広報室